光る君へ１６話「華の影」の感想と考察メモ　まひろを大事にする道長

毎週、日曜日の夜は２０時からNHK大河ドラマ「光る君へ」を見るのが楽しみです。

４月２１日放送の「光る君へ」第１６話「華の影」の感想と考察を書きます。

好きなドラマがあると楽しいですね

書くことによって自分を救う

前回、まひろ（吉高由里子さん）が石山寺で尊敬する藤原寧子（財前直見さん）と「蜻蛉日記」談義で盛り上がり、仲のよかったさわ（野村麻純さん）が疎外感を感じてしまい、さらに寧子の子の藤原道綱（上地雄輔さん）もまひろを目当てに夜這いに来て、もぐりこんだ布団の相手がさわとわかると中断してしまう出来事が描かれました。さわは惨めな気持ちでまひろを避けるようになりました。

まひろは寧子が「蜻蛉日記」に向き合った心境である「書くことで自分を救った」という言葉を思い起こし、自分の辛い気持ちを「書く」ことに向けはじめたように思います。後の「源氏物語」と「蜻蛉日記」には人と人の縁があったのだなあと流れが理解できました。

まひろの魅力は器量？中身？

ところで、道綱が道長に「石山寺でいい女子がいた」と話し、「まひろ」と名前を明かし、また道長の心にささります。ここで思ったことは、まひろは当時の男性から見ても魅力的だったのだろうということ。

吉高由里子さん演じるまひろは当然美しい人ですが、ドラマ内のまひろ評は、宣孝（佐々木蔵之介さん）も道兼（玉置玲央）も「器量はいい」と言っていました。そして今回の夜這いの道綱です。わたしは、まひろは美しいという評価なのだなあと思いはじめています。

それでは、道長はまひろのどこを好きになったのか。やはり美しさとともに漢詩を操る教養や直秀ら民に心寄せる優しいところかなあと思います。

しかし、道綱は、もしさわとまひろが外見で入れ替わっていたらどっちを選んだか、、と考えるとやはり吉高さんの「さわ」さんを選んだのでしょうか。わたしは個人的には、野村さんの「さわ」さんもすごく美しいと思いますが、、道綱を見て、男性は恋愛に何を求めるのかと考えてしまいました。

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— 野村麻純 (@MasumiNomura) April 15, 2024

道兼が民に心を寄せ始める変化

今回、わたし的に一番「おおっ！」とうれしくなったのは、初回からずっと悪人で心も小さい人物として描かれていた道兼が少しいい人に変化していたことでした。

前回、道長から「兄上は生きてください」と励まされ官職に復帰して数年。落ち着いた姿で民のことを気にかけ、おごる伊周（三浦翔平さん）を諌める場面もうれしくなったし、疫病で苦しむ民を「汚れ役」を自称して見に行く場面もうれしくなり、わたしは泣きそうになりました。

疫病については、現代に生きるわたしたちにもコロナ禍で記憶に新しいですが、いつの世も疫病などの危機の時に政（まつりごと）、政治の役割画伯問われると思いました。今回のタイトルの「華の影」とは、権力の頂点の「華」である道隆（井浦新さん）らとその一方で疫病という「影」が進行しているさまを表したものでしょうか。

道長も道兼についていきますが、道隆の独裁に反する弟二人に希望を覚える感情で見ました。

貧しい人や孤児を救うために作られた施設の悲田院（ひでんいん）で医療者から「あんたら」呼ばわれされますが、状況に道兼は驚き、民と朝廷の距離の開きを痛感する表情をしますが、道兼のまともさを感じました。

ここで介護をしていたまひろと道長が近づきドキドキします。そしてまひろが感染して倒れたところで道長と目が合いまひろは気絶してしまいます。道長は、全てをさしおきまひろの家に入り看病します。

これがドラマの流れでしたが、わたしは少しまひろと道兼が出会っていたらどうなったかも想像しました。せっかく道兼がいい人になってきたところをまひろにも気づいてほしかった思いもします。

人間いつ因縁のある人に再会するかはわからない。少しでもましな人間になっていれば関係は変わっていくのかもしれない。人生のなかで人間的に成長していくことは意味があるとわたしは道兼を見て思いました。

まひろを大事にする道長

道長はまひろの生命の危機になりふり構わず看病します。「久しいのう」「生まれてきた意味は見つかったのか？」「逝くな、もどってこい」の呼びかけはまひろと話したかったことなのだと伝わりました。

一晩の看病を終えて、為時（岸谷五朗さん）からの説得を受け、朝廷に戻る場面に注目しました。道長はまひろの手を握るか迷ったところで手を握りませんでした。看病でも額の汗を拭いたりしていましたが大事に接したのだろうことが伝わりました、いくら気を失っていても、必要以上に触れず熱心に看病したのだろうと思います。単なる「好きな女」「慰み物」でなく尊敬する人間同士の関係を感じました。

道長のまひろに一生懸命な気持ちは本妻の源倫子（黒木華さん）にも「殿の心にはだれかがいる」としっかり気づかれているようで倫子が道長のことが大好きなだけに複雑な思いになります。

次回予告では道隆が倒れる様子が写りました。いい人になってきた道兼も悲しい運命が待っていそうです。

民を思う道長はその初心を保ち続けることができるのか。あまり予備知識をもたず、ドラマを楽しみたいと思います。