23年夏のTBS日曜劇場VIVANTが2週目を終えた時点で伏線だと思われることを書きます。
前回は主に主演の乃木(堺雅人)がもつ伏線について書きました。↓ ↓
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参考TBS日曜劇場VIVANTの伏線 乃木(堺雅人)の行動
23年夏のTBS日曜劇場VIVANTが2週目を終えました。 事前の情報がほぼ明かされず始まったドラマ。始まってみると海外ロケの多さに主役級の豪華出演者が目立ちます。 2話まできてVIVANTという謎の ...
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今回は、乃木のとなりでほぼ主演と言えるほどにインパクトを与える警視庁公安部の 野崎守(阿部寛)の伏線と思われるものを書きます。
警視庁公安部の野崎守(阿部寛)
ドラマは主役の商社の乃木憂助が海外に9000万ドルを誤送金し(実は乃木はミスをしていなかった模様)、それをめぐってバルカ共和国(中央アジアに位置する架空の国)の誤送金相手のテロ組織リーダーの自爆に巻き込まれ、日本に帰国し、誤送金を企てた人間をさぐるという話を軸に進みます。
第1話での誤送金相手のザイールが「VIVANT?」の言葉とともに突然の自爆をはかり、そこから乃木を救い出したのが阿部寛演じる野崎守です。野崎についてのサイトなどでの解説は以下のようになります。
- 警視庁公安部 外事第4課の捜査官。警視。1年前から在バルカ共和国日本大使館に駐在していた。
- ザイールの爆弾自決から乃木を守り、「世界中を巻き込む大きな渦」から日本国を守るために乃木を保護すると告げる。
- 常に先読みし用意周到に事を進めるが、良い手段がなければ強行突破も辞さない。
- 手先が器用で自動車の修理や傷の縫合をこなし、料理も得意。
野崎はとても切れ者なキャラクターであり、乃木たちのピンチを次々と救い出します。それでいて、ハードな中に少しでてくるギャップ萌えともいうべき場面があります。それらも伏線になっていくかもしれません。
今回は野崎の伏線となるかもしれない行動を書いていきます。
壁ドンが好き
野崎は、話す相手を壁に追い詰め手を壁にドン!とついて相手に迫る、いわゆる「壁ドン」が好きなようです。
二枚目俳優が普通は映画一本やドラマシーズンで決めの1回だけあるかというこの「壁ドン」ですが、VIVANTでは第1話でも、第2話でも野崎はやっています。
第1話は、42:25で二階堂ふみ演じる女性医師の柚木薫の口に手を当てて、そこから柚木を壁に押し当てて「壁ドン」して、「奴(乃木)が腕に大きなケガを負っている。治療を頼む。それと警官たちをひきつけてほしい」と乃木を救うように願います。
第2話は、7:57でなんと男性の乃木(堺雅人)に「壁ドン」。「この中にお前をはめて罪を擦り付けたやつがいる」と乃木の会社の関係者をうつしたスクリーンを睨んで、「みなさんよく知ってますけど、そういう人たちじゃないと。。」と気が動転する乃木に、「こういうのはな、驚くほど近い人間のやつらがすることなんだ」と迫力で詰めます。
どちらも、この一言をしっかり聞けと言わんばかりの場面で「壁ドン」をやってしまうところがあるのでしょうか。
この「壁ドン」をされたことについては乃木も、第2話のなかで、もう一人の乃木との対話(13:13)で「野崎には気をつけろよ」「どういうこと?」「あいつのお前をみる眼差し。あいつお前に気があるんじゃないのか」「ないないない」「普通男に壁ドンするか?」「ああーー」と問答するなど、気にしており、これからもいろんな人の「気持ち」を動かすことになるかもしれません。「壁ドン」は普通重みがある表現ですからね。
料理が上手い
第2話はバルカ共和国の日本大使館に乃木、野崎、柚木が逃げ込んだところから始まります。
ここで野崎は乃木と柚木に「腹減ったな。食いたいものなんでもいってみろ」「日本にいると思って、なんでもいいからさ」(12:35)と食べたいものを注文させます。
乃木は「無理だと思いますがお赤飯」と頼みます。野崎は「赤飯!?」とだけ答える。
次に場面が変わったときには、柚木の「すごーい!」という声から、角煮と鶉のチンゲン菜の中華皿、こんさいとシイタケなど色鮮やかな筑前煮、エビなどの天ぷら、ナスとアゲ豆腐のマイタケ和風の煮物、そして主役の赤飯がつぎつぎと映し出されます。全部野崎が作ったというのです。
乃木は赤飯を「虎屋の赤飯みたいだ!」「おかずなんていらない。これだけでいけます!」と絶賛。柚木も赤飯を口にした瞬間、「うん!?」と顔をしかめたが、すぐに泣きそうな顔になり「懐かしい」「本物」と喜びます。柚木が心を開いたのはこの場面からではないかと思いました。郷土の料理の味を再現できるって大きな力になるものですね。
赤飯以外はすべて地元の食材で、赤飯には8時間かけたという説明もありました。
野崎は料理以外にも、第1話で乃木の腕の手術と縫合をおこなうなど、さまざまな器用さを武器にしています。見た目のワイルドさとしっかり繊細な仕事もできる。こういう設定はこれからも力をだしていくことだと思います。
危機管理能力の高さ
野崎は、第1話でバルカ警察の追跡から逃れるときも、第2話で日本大使館から脱出をはかるときにもすぐれた危機管理能力を発揮します。
追手との関係でルートの裏をかく、時間差で切り抜けるなど、常に先を見てたてる計画が当たり、逃走が成功していきます。助っ人のドラムも林原めぐみの声のスマホの日本語とともに頼もしい存在です。
野崎の危機管理能力の高さを強烈に印象付けたのは第1話の逃走場面で優秀な警察犬からのがれるために、バルカ住民のつかうくみ取り便所の下に隠れた数分間の場面。
なんと匂いを消すために糞尿を顔と首に塗り込む場面です。日曜劇場は夕食後の時間だからできたと思いますが強烈でした。
そして、乃木と柚木に「やれ!」と目ですごむのです。床上には警察犬と執念深い警察官リーダーのチンギスが迫る。見つかったら最後。とっさに乃木が顔に糞尿を塗り、野崎と乃木で二人の真ん中にたつ柚木の顔に糞尿をぬる。泣きそうになる柚木も声をだせず、無事、最大の危機を切り抜けました。
阿部寛にしても、堺雅人にしても、そのうえ大女優の二階堂ふみにまでも、アレを顔に塗るってどういうことだと冷静に驚きましたが、ドラマのなかではそうするしか生き残れない場面で躊躇なくそれをやった野崎の危機管理能力の高さを描きました。
そして、その非常に能力の高い野崎でさえもわからない「VIVANT」がなにか。ということがこれから核心にせまっていく面白さなのだと思います。
物語は第3話からさらに核心に迫っていくようです。
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