TBS日曜劇場の23年夏の大人気ドラマ、VIVANTがついに17日夜に最終回を迎えました。
最後までハラハラさせてくれて、一言であらわすならば、それぞれが筋を通した結末になったというところでしょうか。私の感想になりますが、後味はよかったと思います。
最終回から明らかになったこと、視聴率、これからの展開の予想などについて書きます。
最終回から明らかになったこと
→ベキは「いい人」
最終回は、
①フローライトの事業の主導権について、テントとバルカ政府外務大臣のワニズの騙し合い、
②それにテントが勝つために日本政府の協力とベキの引渡し、
③しかし日本でベキたちが脱走し元公安上司への復讐に向かい。。
ーーという流れとなりました。
ベキは別班としての乃木を理解
乃木も「いい人」であるベキを理解
冒頭で乃木はベキの刀で斬られず、ロープをほどかれました。ベキは別班の任務でテントに潜入したことを理解し、乃木が8話で黒須を銃殺するつもりもなかったことを見抜いていました。
乃木もこの潜入でテントとベキを「悪」と決めつけず、その活動の内容をよく知ろうとしました。これは、ジャミーンと事前にあったときにベキの写真を見たジャミーンが笑顔になったことがきっかけのようです。ジャミーンは直感的に善悪がわかる力をもっています。
乃木が実際にテントの活動を知るなかで、実際のテントは孤児たちに食料を与える組織であり、そのためにフローライトの事業を軌道に乗せる必要があることをつかみ、バルカの平和は日本の安全にもつながるという理由ももってテントのフローライト事業獲得に黒須とともに協力します。
騙し合いの末 バルカ外務大臣に勝利
フローライト事業獲得に向け、ノコルの親友であったゴビの裏切りを見抜き、日本公安の野崎の協力も得て、ベキたちの逮捕とテントの解散を条件に日本大使、日本企業の協力を得て、テント側が無事に勝利。これからも孤児たちへの食料支援が続くことなりました。
ここでワニズを逮捕するチンギスの姿に印象深いものがありました。
チンギスはワニズの悪を暴くなかでバルカの法務大臣に会った場面でこういいます。
法務大臣「まさかテントが何十年も孤児達の面倒をみていたとは」
チンギス「私もその中一人です」
法務大臣「君も孤児院で…」
チンギス「(うなづき)不思議な縁です」「テントに支えられていたとは知りませんでしたが…」「 今の警察は孤児院出身者がほとんどです」
チンギスは自分や警察の仲間が孤児院に救われたこを明かし、ワニズに主導権を奪われれば孤児院が閉鎖に追い込まれると心境を語り、大臣の協力を得ます。
チンギスはベキと対面する最初の場面で頭を下げて敬意を表しました。チンギスにとってもテントの実際の活動は大事なものだったのですね。
ベキが逮捕され、バルカに人たちに感謝を述べるときにバルカ警察の人々もひざまづいて礼をします。このブログのトップのイラストに場面です。立場は違えど真心は必ず伝わるものなのだと伝わる場面でした。
日本でベキは復讐を決行し乃木と対峙
しかし日本でベキたちが脱走し元公安上司への復讐に向かいます。
やはりベキの若い頃、仲間がヘリで救出にきたのを上役が自分の責任を逃れるために引き返えさせたのです。
別班の力でその時の音声まで出てきました。ベキは妻の願いであった「復讐」を遂げるために当時の公安の上役で現在の内閣官房副長官の上原史郎(橋爪功)に銃を向け、乃木がそれを阻止するためにベキ、バトラカ、ピコの3人を撃ちます。
ベキはそれを“よくやった”と評価し、絶命したように見えました。。
ベキが乃木が撃つ寸前にやさしい笑顔を見せたことが印象的でした。あとで明かされますが、ベキ、バトラカ、ピコが持つ銃には弾は入ってなかったということ。乃木に撃たれることを望んでいたのかもしれません。
しかし、ベキは「本望」だったとしてもバトラカ、ピコもそうなのでしょうか。。罪の償いがあるにしても死ななければならなかったのか?と少しモヤモヤしました。
VIVANTの視聴率は?
第1話 11.5%
第2話 11.9%
第3話 13.8%
第4話 13.4%
第5話 14.2%
第6話 14.3%
第7話 14.1%
第8話 14.9%
第9話 14.9% と上がってきました。
そして最終回となった第10話は19.6%となりました。20%の大台は超えませんでしたが、11.5%だった第1話から大躍進という結果となりました。
ちなみにTBS日曜劇場のこれまでの最高視聴率は半沢直樹(2013年)の最終話で42.2%ですから「半沢」は強かったですね。半沢直樹(2020年)も32.7%です。
これからの展開の予想
VIVANTの最終回の最後の場面は、また神田神社の境内にお饅頭が置かれているところで終わります。
これからの登場人物のみなさんは?
つまり乃木にまた別班の上役から招集がかかったということで、これからも乃木は別班の人生を歩んでいくということなのでしょう。
たぶん表の姿である丸菱商事の会社員も続けるのでしょう。Fはドラマ後半の怪演は少なかったように思えますが、Fはこれからも乃木といっしょにいるのでしょう。
展開としては、公安で野崎に仕える熱血漢の好青年に見えた新庄がなんとテントのモニターだったことがわかります。新庄はベキらを日本国内で逃亡させ、国外にでるということになりました。ベキと会ったときも心酔しているようすが見えました。
また、乃木は薫とジャミーンとドラム(?)といっしょに暮していくようすです。
今後への匂わせ ベキは生きているのか?
今後について明確な匂わせを2つ感じました。
皇天親無く惟徳を是輔く
一つは乃木のノコルとの最後の電話での会話です。
ノコルが「兄さん」と初めて心を開いて感謝を伝えたあと、ベキたちが「最後は苦しまなかったか」と聞き、乃木は「ああ」と。ノコルは「墓はバルカに建たせていいか」と聞くと、乃木はまた漢字のことわざを語るのです。
「皇天親無く惟徳を是輔く」(こうてんしんなくただとくをこれたすく)
この意味は、”天は公平で贔屓(ひいき)せず、徳のある人を助ける”というもので、簡単に言えば、正しい行いをしている人が救われるということです。
そして乃木は「花を手向けるのは、まだ先にするよ」と笑顔で答え電話を切りました。
これは今後にむけた意味をもつものだと思いました。つまり、ベキたちはまだ死んでいない可能性があると思われます。乃木はベキのバルカでの孤児院づくりなど行いを「徳」のあることと理解していたでしょう。「徳」のある人は救われるというのはベキたちのことではないかと匂います。
ベキたちの死因は作られた
もうひとつですが、さきほどこのブログで乃木はベキとともに、バトラカ、ピコまでも死ななければならなかったのか?と書きましたが、実はドラマ内では“3人の死因は火事で焼け死んだこと”にするよう野崎が上原官房副長官に口裏を合わせるよう話しています。つまり乃木の銃で亡くなったかどうかは一切明らかにされていないのです。
別班5人に急所を外して銃を撃った乃木ですから、ベキたち3人にも急所を外して撃てるはずでしょう。だから、ベキたちが生き残っている可能性は非常に高いのではないでしょうか。
監督が語った貴重情報
最終回翌日の18日の朝のTBSニュース番組THETIMEでVIVANTのファンイベントが紹介され、福澤監督への番組からのインタビューもありました。そこで「続編」について聞くと、「皆さん次第です」と監督は答えました。そして面白いことに「私自身は3部くらいまである」と答えたのです。
この盛り上がりがあり、ファンの要望が強ければ十分続編はありうるということだと思いましたがどうでしょう。
「最大の伏線」は。。。
このインタビューで福澤監督が話していた「最大の伏線」は、「始まりから砂漠だったこと」ということでした。いきなり異国の砂漠の世界だから銃撃戦も爆破も普通にできる世界になったという趣旨のことを話されていました。
これには、確かに最初から砂漠で、「見たことのないドラマが始まった」と度肝を抜かれたことを思い出し、スケール大きく急展開が激しかったことも砂漠ならばありということだったのだなあと納得させられました。
とても楽しい3カ月でした。ドラマ関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
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