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光る君へ15話「おごれる者たち」の感想と考察メモ おごれるもの「たち」とは道隆、伊周か

毎週、日曜日の夜は20時からNHK大河ドラマ「光る君へ」を見るのが楽しみです。

4月14日放送の「光る君へ」第15話「おごれる者たち」の感想と考察を書きます。

好きなドラマがあると楽しいですね

人事、財政など好きにしておごれる道隆

前回で兼家が亡くなり、長男の道隆(井浦新さん)が後継となり権力を手中にしました。そこから、強引に娘の定子(高畑充希さん)を中宮にし、姉の詮子(吉田羊)を内裏の外へと追いやり、自分の思うような権力をつくっていきます。

二年後、一条天皇(塩野瑛久さん)も成長。道隆の独裁には拍車がかかり、息子の伊周(三浦翔平さん)らに身内びいきの人事を行い、定子のために公費という財政も投じ始めました。いつの時代もこういうことをすると国は崩壊に向かうと思うのですが。道長(柄本佑)は兄のやり方に納得がいかないず、兄に意見するが聞き入れられません。

ただ、面白いと思ったのは、タイトルに、おごれる者「たち」と複数形で書かれていることを表す別の人物が道隆の息子の伊周ではないかと思ったことと、そのおごりの先に早くも陰りが見える描き方がされてきたということです。

おごる伊周は叔父の道長に弓矢で勝負を挑み、実力では道長の上をいくのですが、おごりから「願い事を言って弓を放つ」ことを道長によびかけ、「わが家から帝で出る」「私が関白になる」といったときに矢を打ち損じてしまいます。

逆に道長が「わが家から帝で出る」といったときに矢は的の中心を射抜き、「私が関白に」と言い始めたときに道隆が慌てて止めたのは滑稽でした。おごれる親子の没落の兆しに対し、うろたえる姿そのものに運命が見える思いがしました。

人間としてのやさしさ描かれた道長

父から後継に指名されず、だれも信用できなくなり自暴自棄に陥る道兼(玉置玲央さん)。道長が兄上のそのような姿は見たくないといい、死んだも同然の自分には「もう居場所などない」ととヤケを起こしす兄に、生きることをもとめる道長の人間としての大きさが伝わりました。

前回の14話でも、権力欲にまみれた父と民あっての自分たちと考える道長に考えの違いはあっても、父の死の場面では遺体をだきしめ、愛情を表していたことを思いだしました。

また、道長の人間を表しているように思ったのは、もう一人の妻である源明子が身ごもったことを喜び、男の子のようですと明子が話したときに「どちらでもよい」と答え、明子の体を気遣う姿が印象的でした。

居場所についての悩み

まひろ(吉高由里子)は、弟の惟規(高杉真宙)が大学に行き、官職への道に近づくのを見て、またのちに清少納言となるききょうが定子の学びの相手となることなどを聞いて、「自分は何もすすんでいない」と考えます。

後半でさわ(野村麻純)と近江の石山寺へと出かけ、夫が現れなかったらいっしょに暮らそうかと行きの道では仲良く盛り上がります。しかし、石山寺で兼家の妾(しょう)だった藤原寧子との出会いを喜び、その代表作である蜻蛉日記の内容への共感など知的な話題で盛り上がる一方で、それについていけないさわは落胆し、夜這いにきた道綱にも相手にされないことなどから「私には居場所がない」と悲しみます。

今回の会では、道兼とさわが「居場所がない」と口にしたことが印象的でした。居場所とは、自分の目標や志によって見出していくものではないかと、まひろと道長は感じているのではないかとも思いました。

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